イエソウバの数字の根拠と集計方法中央値を使う理由・外れ値の扱い・空欄の方針
このサイトの相場ページに出る数値は、国土交通省が公開している不動産取引価格の情報を、決まった手順で集計したものです。手順を隠さずに書いておくのは、読者が数値をどこまで信用してよいかを自分で決められるようにするためです。
なぜ平均ではなく中央値を使うのか
不動産の取引価格は、極端に高い物件が少数含まれるだけで平均値が大きく引き上げられます。たとえば10件のうち9件が3,000万円で、1件だけ2億円の取引があると、平均は4,700万円まで上がりますが、中央値は3,000万円のままです。平均のほうは「よくある価格」を表していません。
中央値は、価格順に並べたときのちょうど真ん中の値です。極端な値が何件混ざっても真ん中の位置は動きにくいため、「自分の物件がどのあたりか」を測る目安として平均より適しています。このサイトでは、ページに大きく出す数値をすべて中央値にしています。
補足: 中央値は「その価格で売れる」ことを意味しません。物件ごとの条件(階数・向き・管理状態・売却期限)は統計に含まれていないためです。
外れ値の扱い
元データには、事業用の一括取引や特殊な事情による取引が混ざります。これらを含めたまま集計すると、中央値そのものは動かなくても、四分位や㎡単価の幅が実態とずれます。
中央値・四分位・㎡単価は、市区町村・種別ごとの価格分布から上下1%を外れ値として除外して算出しています。除外は分布から機械的に決めており、個別の取引を選んで外すことはしません。取引が20件に満たないグループでは除外を行いません(少数の事例から正常な取引を落とさないため)。
外れ値の除外は取り込み時に市区町村・種別ごとのグループで行っており、ページ単位の除外件数は再集計時に再現できないため出していません。
価格の記録単位と推移グラフの見え方
元データの価格はきりのよい単位で記録されていることが多く、そのため中央値も同じ単位の値に集まり、推移が階段状に見えることがあります。表示を整えるための平滑化や、欠けている期間を補う補間は行っていません。
「1,000万円単位」は価格が1,000万円の倍数である取引、「100万円単位」は100万円の倍数だが1,000万円の倍数ではない取引を数えています(同じ取引を二重に数えていません)。
どの単位で記録された取引がどのくらいあるかは市区町村ごとに違うため、実測した件数と割合は各相場ページの推移グラフのすぐ下に出しています。
空欄(「—」)の方針
表の中に「—」がある場合、それはその区分の取引事例が掲載基準に満たないため表示していないという意味です。取引が0件だったという意味ではありません。この2つは読者にとってまったく違う情報なので、区別して書くようにしています。
件数が少ないまま中央値を出すと、1件の特殊な取引で数字が大きく動きます。動く数字を出すくらいなら出さない、という方針です。推定値・補間値で空欄を埋めることはしません。
値を出す下限と、下限に満たないときの扱い
| 項目 | 下限 | 扱い |
|---|---|---|
| 面積×築年クロス表のセルの掲載基準 | 10件 | 面積×築年クロス表のセルは、取引が10件に満たない場合は「—」と表示し、値を推定しません。 |
| 町名別テーブルの掲載基準 | 10件 | 町名別テーブルには、取引が10件以上ある町名を掲載します。 |
| 町名別テーブルの最大掲載数 | 12町名 | 町名別テーブルは、件数の多い順に最大12町名まで掲載します。 |
| 個別ページの生成条件(この種別) | 30件 | 個別の相場ページを作成するのは、この種別の取引が30件以上ある市区町村です。 |
| 前年比(中央値)を算出する下限 | 40件 | 前年比は、比較する2つの期間のいずれも取引が40件以上ある場合にだけ算出します。 |
| 推移グラフの値ラベルの掲載基準 | 10件 | 推移グラフに値のラベルを付けるのは、収録件数が10件以上ある四半期です。 |
| 直近四半期に値ラベルを付ける下限倍率 | 0.5倍 | 直近の四半期には、集計期間の四半期あたり件数の中央値の0.5倍以上の収録がある場合にだけ値のラベルを付けます。 |
面積帯・築年帯の区間定義
境界の値がどちらの帯に入るかを決めておかないと、読者が自分の物件を置く場所を決められません。区切り方を先に開示します。
| 区分 | 帯 | 範囲 |
|---|---|---|
| 専有面積 | 〜50㎡ | 50㎡未満 |
| 専有面積 | 50〜70㎡ | 50㎡以上70㎡未満 |
| 専有面積 | 70〜90㎡ | 70㎡以上90㎡未満 |
| 専有面積 | 90㎡〜 | 90㎡以上 |
| 築年数 | 〜5年 | 5年未満 |
| 築年数 | 5〜15年 | 5年以上15年未満 |
| 築年数 | 15〜25年 | 15年以上25年未満 |
| 築年数 | 25年〜 | 25年以上 |
面積帯・築年帯はいずれも下端を含み上端を含まない区間です(例: 50〜70㎡ は50㎡以上70㎡未満)。築年数は取引時点の年から建築年を引いた値です。
元データの建築年に「戦前」など数値に変換できない記録がある場合は、欠損として扱い、推定はしません。
派生指標の算出定義
相場ページには、公開データそのものではなく、こちらで定義して計算した指標を載せています。定義を書いていない指標は載せません。
| 指標 | 算出方法 |
|---|---|
| 取引事例の多さ |
|
| 価格帯の広がり |
「中央の50%」は、価格の低い順に並べたときの下から25%目の価格と75%目の価格の間です。 |
| 築年による価格の残り方 | 同じ専有面積帯の中で、築25年以上の取引の中央値を、築5年未満の取引の中央値で割った値です。市区町村全体では算出しません。築浅の取引と築古の取引では専有面積の構成が異なり、面積の違いによる差が比に混ざるためです。対象の面積帯は、築5年未満と築25年以上の中央値をどちらも示せる帯のうち、この2帯の取引件数の合計が最も多い帯です。合計が同数の場合は、面積の小さい帯を用います。同じ面積帯・同じ中央値を、築年数による価格差のよくある質問でも使っています。どちらかの件数が10件未満の場合は算出しません。 |
| 四半期あたりの取引件数 |
|
| 間取り別の㎡単価 | 同じ専有面積帯の中で、間取りごとに㎡単価の中央値を求めたものです。対象は50〜70㎡・70〜90㎡の2帯に限っています。同一面積帯の中でも間取りごとに実際の専有面積が異なり、㎡単価は面積が小さいほど高く出るため、間取りによる差の一部は面積の違いによるものです。そのため実際の専有面積の中央値をあわせて示しています。件数が10件未満の間取りは示しません。比較できる間取りが1つ以下の面積帯は示しません。母数として示す件数は、実際に表示した間取りの取引件数です。掲載基準に届かなかった間取りと、示せなかった面積帯は、件数と理由を別に記しています。 |
| 改装の有無による価格差 | 専有面積帯と築年帯をそろえた区分の中で、改装済みと記載された取引と、未改装と記載された取引の中央値の差を、総額と㎡単価の両方について求めたものです。市区町村全体では算出しません。改装済みの取引は築年数や面積の構成が異なるため、総額の差と㎡単価の差が逆向きになることがあるためです。同じ理由から、区分の中でも総額の差と㎡単価の差が同じ向きにならない場合は示しません。対象は専有面積50〜70㎡・70〜90㎡の2帯に限っています。下限のない面積帯では帯の中で実際の専有面積の開きが大きく、改装の有無による差と面積の違いを分けられないためです。同じ向きであっても、総額の差と㎡単価の差の開きが15ポイントを超える区分は示しません。対象2帯での開きは中央値4.2ポイント・上側90%点12.5ポイントに収まる一方、帯の中の面積の開きを理由に外した50㎡未満の帯では中央値25.9ポイント(最大132.4ポイント)だったため、外した帯と同じ振れ方をする区分が残らない水準を採っています。改装済みと記載された取引はもともとの立地や建物の条件も異なりうるため、この差は改装を行った結果を示すものではありません。改装済み・未改装のどちらかが10件未満の区分は示しません。母数として示す件数は、実際に表示した区分の取引件数です。改装の記載がある取引の総数と、示せなかった区分の件数は別に記しています。 |
| 取引の構成比 | 集計期間の取引を専有面積帯・築年帯ごとに数え、全体に占める割合を示したものです。母数は専有面積と築年数の両方が分かる取引で、どちらかが分からない取引は含めていません。母数が30件に満たない場合は、1件の増減で割合が大きく動くため示しません。件数が最も多い帯を「最も多い」と述べるのは、1位と2位の差が5ポイント以上ある場合だけです。差がそれより小さい場合と、1位が同数で並んでいる場合は、どの帯が中心かを示しません(順位が偶然で入れ替わる範囲にあるため)。 |
指標が「—」になっている場合、算出に必要な件数または比較対象エリアの集計が掲載基準に達していないことを意味します。データが存在しないという意味ではありません。
読み取りの注意
間取り別の㎡単価
同じ専有面積帯の中でも間取りごとに実際の専有面積が異なり、㎡単価は面積が小さいほど高く出ます。そのため間取りによる差の一部は面積の違いによるものです。
改装の有無による価格差
改装済みと記載された取引は、もともとの立地や建物の条件も異なりうるため、この差は改装を行った結果を示すものではありません。同じ面積帯の中でも改装済みと未改装で実際の専有面積が異なるため、総額の差には面積の違いが含まれます。元データに「改装済み」と記載された取引の区分であり、改装にかかった費用は差し引いていません。
日付の読み方(3つの日付を区別する)
このページには意味の違う日付が3種類あります。どれも省略せず、ラベルを付けて表示しています。
- 取引時期
- 集計に使った取引が実際に行われた期間。元データは3ヶ月単位(四半期)で公表されるため、日単位ではなく3ヶ月ごとの期間で表します。
- 国土交通省の公表
- その取引時期のデータを国土交通省が公表した時期。公表の時期は提供されるデータの中に入っていないため、当サイトでは一次資料を人が確認して記録しています。確認できていない期間は、月を推定せず、まだ確認できていないことをそのまま値の欄に表示します。
- 当サイトの反映
- 当サイトがそのデータを取り込み、集計してページを作り直した日。新しい四半期が公表されていない月は作り直しません。
公表の時期が確認できていない期間は、まだ確認できていないことをそのまま値の欄に表示します。おおよその遅れから逆算した月を書くことはしません。
取引価格の情報は、取引から公表まで数ヶ月の遅れがあります。そのため、どのページにも「最新反映範囲」を書いています。直近の取引は含まれていません。
出典・更新履歴
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ (https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)
「不動産価格(取引価格・成約価格)情報」(国土交通省)をもとに合同会社サイバーオプテーニ作成(サービス名: イエソウバ)。準拠ライセンス: 公共データ利用規約(第1.0版)。
集計に使うのは、国土交通省が登記情報をもとに取引当事者へのアンケートで補完した「不動産取引価格情報」です。指定流通機構(レインズ)由来の「成約価格情報」は、対象となる種別が限られ母集団の定義が変わるため含めていません。
提供元は情報の最新性・正確性・完全性を保証していません。このサイトでも「正確な相場」という言い方はしていません。
このページの更新履歴
このページは統計値を持たないため、データの再集計による更新履歴はありません。算出方法そのものを変更した場合は、変更日と内容をこの欄に記録します。
本ページの相場情報は公開データを統計処理した参考値であり、個別物件の査定額・成約価格を保証するものではありません。